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長崎望遠鏡展:小嶋恭子さん(寅印菓子屋)の望遠鏡

「長崎望遠鏡展」参加作家の皆さんに質問をしました。
ひとりひとりの望遠鏡から覗く長崎。作品とあわせてお読みください。

回答者:小嶋恭子(寅印菓子屋)

1)長崎で縁のある土地(出身地や通った場所など)
五島列島(中通島)新魚目町

2)長崎でおすすめの場所(上記以外で)
頭ケ島天主堂、砂岩造りの美しい教会

3)長崎で行ってみたい場所
中通島以外の五島列島、長崎市の精霊流し

4)おすすめの食べ物
五島うどん、かんころ餅

5)思い出の土地やエピソードなど
母の実家が五島列島だったので子どもの頃は夏休みに家族でよく帰っていた。

◎祖母の思い出
祖母はほとんど目が見えなかったのだけれど古い家に1人で暮らしていた。夏に帰ると「きょうこちゃん、おいで」と呼ばれて祖母の前に立つと、私の体を両手で触って「大きくなったねぇ!」と言うのが恒例だった。家から歩いて10分ほどのところに畑があって、育てた野菜や落花生などをよく送ってくれた。大豆を茹で、手動式のミンチマシーンでミンチにし、塩と麹を加えて混ぜたりと一緒に麦味噌を作ったのもよく覚えている。
海でいとこ達とたくさんミナ(小さな巻貝)を採って帰ると、洗ってすぐ茹でてくれた。まち針で身をほじっておやつに食べた。

◎五島のお盆
お盆には仏壇のまわりに灯籠をいくつも吊るしお供物を飾った。灯籠には花の絵が描いてあってとても綺麗だった。子どもながらにいつもとは違う特別な雰囲気を感じていた。
8/13〜15の3日間は夕方になると毎日家紋入りの提灯を持ってお墓に行き、提灯を掛けて、灯したろうそくがなくなるまでお墓で過ごした。その間、子ども達は花火や爆竹で大騒ぎする。束のまま火をつけたお線香を持って自分の家のお墓はもちろん親戚や知り合いのお墓にもお線香を立ててまわる。すぐそばの民家に向けてロケット花火を飛ばして怒られたり、懐かしい顔に出会えたり。家族が集まって賑やかに過ごす楽しいイベント。

◎美味しい思い出
五島といって、まず頭に浮かぶのはこの3つ。
「祖母の田舎まんじゅう」「冷凍ジョア」「おばちゃんの鯛茶漬け」
私が好きだと言ったら祖母が毎回作ってくれた田舎まんじゅう。中華まんのようなフワフワの皮に手作りのあんこがたっぷり詰まっていて、素朴な味でとても美味しかった。あんこの豆も祖母が畑で作っていたものらしい。

ヤクルトレディをしていた叔母の家ではヤクルトは飲み放題・食べ放題。だから叔母のことを実家ではヤクルトのおばちゃんと呼んでいた。ジョア(ヨーグルトドリンク)の凍らせたのをスプーンでザクザク掘り進めながら食べるのが大好きだった。

ある時、ヤクルトのおばちゃんこと叔母が作ってくれたごはんが美味しくて忘れられず、行くたびにリクエストして作ってもらっていたのが鯛茶漬け。鯛やイトヨリの刺身をそぎ切りにして醤油や味醂などに漬けておいたものを漬け汁ごとごはんにかけて食べるというもの。今考えると島とはいえ高級料理だったのだな。

沢山の思い出がある五島は私の心の故郷。来年あたりひさしぶりに里帰りしようかな。

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寅印菓子屋  Torajurushi kashiya
小島恭子 Kyoko Kojima
東京・阿佐ヶ谷に工房をかまえ、工房販売日やイベントにてお菓子の販売をしている。特別な日にというよりは、毎日食べたくなるような、そして季節を感じられる焼き菓子を作っています。

長崎望遠鏡展では、島の素材(あごだし、あおさ、椿油、塩)を使った焼き菓子「五島ぽりぽり」を創作、限定販売。

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長崎望遠鏡展
会期:9月25日(木)~10月13日(月祝)
会場:URESICA

「長崎」という土地に縁のある作家による作品展。
http://uresica.com/gallery.html#nagasaki

《参加作家》
河井いづみ 下妻みどり 高杉千明 長岡千陽(sen・京千) 西村洋一(nishimokko) PEIACO marini*monteany ヤマサキチヨ 山下アキ

《特別出展》
田川憲(木版画)協力:田川憲アートギャラリー Soubi'56
カシワイ(下妻みどり著『すごい長崎』〈新潮社〉線画原画)

《限定販売》
西善製菓舗 寅印菓子屋 piyototochat